猫にあわびはNG…本当の話?
「猫にあわびを食べさせると耳が落ちる」

という噂があるのを知っていますか?
これは主に日本の「東北地方」、漁師の間でよく広まっていた話です。
「あわび」がダメなのか?貝類がダメなのか?はたまた迷信か?詳しく解説します。

そんなこと本当にあるのかにゃ?
猫に「貝類」を食べさせるのは厳禁

猫は貝類を食べると、様々な症状を引き起こします。
食中毒
生や古くなった貝類を与えたりすると、大腸菌などによる食中毒のおそれがあります。
嘔吐や下痢、痙攣などの症状を引き起こし、脱水症状になることもあります。
消化不良による下痢
猫は元々、貝類やタコ・イカなどの消化が苦手とされています。
食べたものは未消化のまま便として出たり、下痢を引き起こします。
光線過敏症
あわびに含まれる毒素が猫の皮膚に炎症を起こし、赤みやかゆみ、腫れを起こします。
猫の場合は皮膚が薄く日光の当たりやすい、耳・目・口周りに症状が出やすいです。
ビタミンB1(チアミン)欠乏症
貝類やいか・たこなどには「ビタミンB1(チアミン)」を分解する酵素「チアミナーゼ」が多く含まれています。
猫が食べてしまうとビタミンB1が欠乏して運動失調、または昏睡など神経に症状が出ることがあります。
「猫がいかを食べると腰を抜かす」という言葉はこの症状から言い伝えられたのでしょう。

少しの量でも危ないので、食べさせるのは厳禁にゃ
特に危険とされる貝が「あわび」

- アワビ
- サザエ
- トコブシ
- トリガイ
これらの貝類は、猫にとって危険な「毒成分(ピロフェオホルバイドα)」が多く含まれているのが特徴です。
猫が食べると、光線過敏症(口周り・耳や目などの日光が当たりやすい場所に炎症)が起きてしまいます。
かゆくて耳がとれるほど掻いてしまう現象から「耳が落ちる」という言葉が広まったのでしょう。

迷信ではなく、本当のことだったのにゃ~
江戸時代から言い伝えがあった

「猫があわびを食べると耳が落ちる」というのは江戸時代から記録があったと言われており、
浮世絵にも「猫とあわびの貝殻」が描かれているものがあります。

猫は当時、貝殻をお皿にしてご飯を食べていたそう。
もしかしたら貝も食べていたのかもしれないにゃ~
夏目漱石「吾輩は猫である」でもあわびの形をした器(瀬戸物)が餌入れとして使われており、猫とあわびは歴史的にも長い関係性を持っていたようです。

あわびは今ほど高級な貝ではなかったので、入手しやすかったのかもにゃ?
まとめ

「猫にあわびを食べさせると耳が落ちる」という噂は、「光線過敏症」による炎症から起きるものでした。
漁師の間で広まっていたということは、近辺に住む野良猫が貝類を食べてしまうので、耳が欠けている猫がいるのかもしれませんね。

お家でも貝を盗み食いされないように気を付けようにゃ!
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